ビー玉コースター37 マーブルランタワー 

しばらくサボってましたが、久しぶりにブログ更新します。

今回紹介するのは、37作目にして初めてバズったビー玉コースター!
2021年6月にYouTubeで公開してから現在まで(2023年2月時点) 357万回 視聴されました。
地味でニッチなダンボール工作(しかもビー玉コースター限定)というジャンルで活動してきましたが、4年目にしてようやく100万回超えの動画ができて本当に嬉しかったです。

特徴

この作品は、立方体を6つ重ねて骨組みにしていて、
一番上の装置を合わせると高さは180㎝くらいです。


どの角度から見ても楽しめますが、下の写真の角度が一応正面です。
正面が一番かっこよくなるように意識しながら作りました。

立方体の骨組みから通路や色んな仕掛けが飛び出していて、パッと見ただけでは何がどうなってるのか分かりません。曲線や直線が入り混じる複雑さが、表現したかったことの一つです。

けっこうなハイスピードでビー玉が駆け巡るコースになっていますが、できるだけ長い時間 鑑賞したいので最上階に工夫をしました。


それが「ビー玉時間差発射装置」です。
この装置が時間をかけてビー玉を1個ずつ落としてくれるので、連続で流すよりもじっくりと鑑賞できるようになりました。玉を入れ続ける必要がなく、一度スタートさせたら後は見るだけ!とても便利な装置です。


発射されたビー玉は最初の分岐で2つのコースに分かれ、その先の分岐でそれぞれ2つに分かれます。なので全部で4つのコースがあり、途中で合流してもすぐにまた分かれて4コースのままゴールに向かいます。

4色のビー玉が色別に分かれるように、セットする時に順番通りに並べています。
※黄色と青色はコース途中で混ざります。
この装置の解説動画も出しているので良かったら見てください。

取り組んだ課題


複雑なビー玉コースターは、どうしても見づらいポイントができたり影で暗くなる部分ができたりします。初期の作品ビー玉コースター3を作った時に思い知らされました。

ビー玉コースター3(下の画像)の制作時はダンボール工作を始めたばかりだったので、どのくらいの強度が要るのか分からず必要以上に頑丈に作ってしまいました。その結果、基礎部分(枠や柱など)の面積が大きくなり光が通りにくくなりました。ほとんどの仕掛けを内側に作ってしまったことも見づらくなった原因の一つです。
自分で遊ぶだけならバツグンに面白いけど、やはり撮影して公開するってなると「見やすさ」「明るさ」はとても大事だなあと学びました。
この点を改善するのが今回の課題です!


課題解決の方法がうっすら頭に浮かんできたら制作開始!

最初に作ったのは基礎(骨組み)です。

下の写真のような立方体
25㎝×25㎝×25㎝
これを6つ用意。
ちなみにはビー玉コースター3の時より細くしました。


立方体は下の2種類ので構成されていますが、地味にこれを作るのが一番しんどい

「こんな柱なんて簡単でしょ⁉」と思われるかもしれませんが、
立方体同士をジョイントでつないで使用するため、いつもより精密に作る必要があったんです。だから、通常の柱の5倍以上の時間をかけて慎重に作りました。

まぁ、実際は多少いびつでも作れるには作れるんだけど、自分の性格がそれを許しませんでした。やっぱり、立方体と立方体がピタッと重なっている方が気持ちいいんですよね。

と言う訳で
を正確に作ることこそ、この作品で最も重要かつ時間のかかる作業でした。


立方体をつなげるジョイントは細長いダンボール。
これだけでも意外とズレたり外れたりしません。

接着した方が頑丈に作れますが、めちゃめちゃ手間をかけてる立方体なので何度も再利用したいと思い接着しない方法を選びました。
「再利用」というのも今作の課題の一つですね。

※穴の中(柱の内側)で、はみ出した接着剤が固まったりしているとジョイントがうまく入らないので、柱を作る時は注意してくださいね。


6つ重ねると高さ150㎝

いつもの作品なら、ここから先はサクサク仕掛けを取りつけていくだけなんですが、立方体を再利用するのでボンドでくっつけるわけにはいきません!


そこで登場するのが心柱(しんばしら)!
五重塔を参考にして、タワーの中心に1本のを通すことにしました。
心柱に通路や仕掛けを取りつければ立方体は無傷で残せます!
このアイデアを思いついたことは、2年経った今でも我ながら『グッジョブ』と思ってます。

立方体の底面に心柱の土台をスッポリはめて固定(接着なし)。

※下の画像はスピンオフ制作時(一度解体して作り直した時)のものなので柱がボロボロになってます。スピンオフ作品の方は再生数少ないけどかっこいいから見てね!


心柱の最上部は、フタとなるビー玉発射台の底の穴に入れて固定。
もちろん接着なし。


この後の工程は撮影していなかったので画像も動画もありません(すみません)。
基本的には、この心柱に仕掛けや通路などを取りつけて作りました。
じょうご渦巻きくねくねレーンなどなど、過去の作品で使った仕掛けをたくさん再利用しています。

心柱からあちこちに横棒を伸ばして仕掛けや通路を支える構造です。
仕掛けのほとんどを骨組みの外側に取り付けたので、にならずとても見やすいビー玉コースターになったと思います!
「見やすさ」「再利用」この2つの課題はクリアしたと言ってもいいでしょう!

仕掛け

多いので2個だけ説明します。

まずは動画のサムネに採用した最大の見どころ「ループの穴通し」
一回転したビー玉が今通ってきたばかりのループの穴を通り抜けると言う、とても難易度の高い仕掛けです。
ループ自体は慣れれば難しくありませんが、一回転して勢いのついたビー玉を短い距離でスピードダウンさせるのは至難の業です(言い過ぎかも)。試作の段階では、ループを出てすぐに玉が飛び出すという失敗が何度もありました。

ループ出口から先のレーンを少し長めの直線にすれば、もっと簡単だし成功率も高くなりますが、今回は敢えて難しい急カーブにチャレンジしました。その方が絶対面白いと思ったからです。

あまりにギリギリで微妙なさじ加減が必要なので、申し訳ありませんが作り方を説明することはできません。
言えるのは「出来る」と言うことだけです。


2つ目は「らせん in らせん」
こちらはペットボトルらせんの穴にスパイラルコイルを通すという、前述のループと同じ発想から生まれた仕掛けです!
YouTubeで様々なビー玉コースターを見ましたが、こんな仕掛けは見たことないので「世界初⁉」かも!
動画のコメント欄ではこの仕掛けが面白いと言ってくれてる人も少なくなかったです。


別々のコースから来た黄色青色のビー玉がペットボトルの中で混ざります。
スパイラルコイルの方が落ちるスピードが速いので、ペットボトルらせんを進む玉を追い越すこともあります。出口も複数の玉が滞留したりするので、どの玉が先に出るのか予測できない面白い仕掛けです。


ペットボトルを脱出したビー玉は、トゲトゲつまようじゾーンに入ります。
ここの出口は「不確定分岐」になっていて、ビー玉は左右どちらかの穴に落ちます。

最上段の発射装置で使用した分岐は進む方向を確定しているので確定分岐。その一方で、このようにどちらに進むか決まっていない分岐のことを私は不確定分岐と呼んでいます。じょうごに複数の穴を作った場合もこれに該当します。


右から落ちたビー玉は右のレーン、左は左のレーンに乗っかります。
(ここも作り方によっては不確定な感じにできますね)
ペットボトルで混ざって同じコースになったビー玉を、再度2つのコースに分けているので元通り全4コースになります。


各コース最後の仕掛けは、
手前の8の字レーン、右のくねくねレーン、左のじょうご、後ろのジグザグレーン
4つのコースから立方体の底にどんどん集り、すべての色のビー玉が再会して終了となります。


立方体を作るのも大変でしたが、立方体に接着できないという条件もかなりキツかったです。
でも、完成するとそんな苦労はどこかへ吹っ飛んでしまいます!
課題もクリアできたし撮影も無事に終了して、しばらくは満足感に浸ります。


しかし!
動画を撮影してしまったら置いといてもジャマなので、どんなに頑張って作った作品でも解体されてしまう運命なのです・・・。
いつか、丈夫な素材で再現できたらいいな


今作ではスピンオフとして「解体から再生まで」「完成品」の2本の動画を公開してます。
一度壊して部品を全て(細かい破片まで)再利用して別の作品に仕上げているので、そちらの動画もお見逃しなく!