ビー玉コースター23 8の字コース連続23周

解説

これまで作った中で最短コースのビー玉コースター!

リフトだけ動かすのではなく「コース全体を動したい!」ということで作ってみたらこんな感じに仕上がりました。
8の字コースをカムで上下させると、ビー玉が1周したりしなかったり(ここが面白ポイント)!上下運動とビー玉の動きがピッタリ合った時にだけ、きちんと1周してくれます。23作目なので動画では連続23周にチャレンジしてます!

この作品を作りたいと思っているあなたは、どんな計算をしてカムの形やモーターの速度を決めたのか知りたいのではないでしょうか!?
安心してください。お答えしますよ。


答えは「直感」です。
計算すれば簡単なんでしょうが、計算式なんて私には分かりませんし必要ありませんでした。
ただ、何もしなかった訳ではないので、どうやって作ったのかを書いておきます。

ステップ1

まず、8の字コースを作って遊んでみた
8の字を作って手動でビー玉を周回させてみます。ちょうど柱の位置あたりを左手で持ち、反対側を右手で持ちます。左手は動かさずに右手を上下に動かしてみて、ビー玉が連続でぐるぐる周せるようになったら、右手をどのくらい上下させればいいのか、左手はどの角度で固定すればいいのかを覚えておきます。

私が作った8の字の場合、右側を高くしている時間が少し長くて、低くする時は素早く下げるというやり方の時に、ビー玉がきちんと周回するようになりました。
この動きを再現するためのカムは、おむすびとか団扇のような形になるんじゃないかなぁとイメージできました。
別にイメージできなくても問題ありません。
ここでは、コースの右側をどのくらい上下させればいいのか、左側はどの角度で固定すればいいのかを、大体把握するだけでいいんです。

ステップ2

次に、柱に8の字を取り付けて動かしてみた
柱側のコースは手前に向かって玉が進むので、柱の頭は手前が低くなるよう傾斜をつけます(手動でテストした時の左手の角度です)。
柱の高さは高めに作ったつもりでしたが、結果的にカムが予想より大きくなってしまい、台に穴を掘ることになりました。

動画には映っていませんが、柱の頭と8の字をつないでいるのはプラスチックの板です。プラスチックはそこそこ強度があり、そこそこ曲がるのでとても便利!

台に柱を立て8の字を取り付けたら、また手動でテストします。
片手でできるので、もう一方の手で定規を持ち、うまく周回できたらその時の高さ(高いところと低いところ)を測ります。それがカムの一番高いところと一番低いところになるので、カムのおおよそのサイズとモーターの軸の位置が決まります。
反対側にも柱を立ててモーターを取り付けたら、カム作りに進みます。
※カムが接触する8の字コースの裏面には、プラスチック板を貼りすべりやすくしてます。

ステップ3

カムを作る前に、この装置の仕組みを知っておきましょう。

カムとは、運動方向を変えるためのものです。
カムがモーターの回転運動往復運動に変えているので、カムの上に乗っているコースが上下に動くという仕組みです。

コースの動きは上下に往復するだけですが、往復する周期はカムの形で調整することができます。

これだけ知っていれば十分です。


手動テストの結果、持ち上げる時間を少し長くして素早く下に下げる方法で上手くいきました。だから、それと同じ周期で往復運動するカムを作ります。

カムの中心(白くポチッとなっているところ:上の写真)から円周までの距離が長い部分が上になった時は8の字コースが持ち上がり、中心から円周までの距離が短い部分が上になった時はコースが下がります。
なので、テスト結果と同じ周期にするために、

・円周までの距離が長い部分の幅を広くする(持ち上がっている時間が長くなる)

・円周までの距離が長い部分から短く変わる部分を急カーブにする(素早く下がる)

この2つを頭に入れてカムを作ります。

長い部分や短くなる部分が具体的にどこかは、下の写真を見ながら説明します。
中心から円周までの距離が長いところが赤、短いところが青。赤の方が幅が広くなっています。
赤い矢印の真ん中は最も高く持ち上げるポイント、青い矢印の真ん中が最も低くなるポイント。このポイントは、テスト時に測った高さに合わせます。
赤い矢印の両サイドは急カーブのポイント(ここから急に矢印は短くなっていく=持ち上げたコースが急に下がっていく)。

という訳で、試作すること3回、ついにこんな形のカムが完成!
形はフリーハンドで下書きして、その上からコンパスをうまいこと合わせて描きました。
試作品はダンボール1枚の薄っぺらいもので、完成品はダンボール2枚貼り合わせたものです。

以上、私が作った方法を紹介しました。
自信を持って推奨できる作り方ではないので、細かい部分で説明を省いたところもあります。

参考になるかは分かりませんが、
実際にこんないい加減なやり方で作れたので、きっと誰でも作れると思います!
作りたいと思ったらまず作ってみよう!
「やればできる!」

今回使用したモーターは、タミヤ「ミニモーター多段ギヤボックス」です。